風が吹くとき デジタルリマスター版 [DVD]は、さすがvideo maker(VC/DAS)(D)は違うなといったそんな印象です。
久々に第一印象で買ってしまいました^^;
レビューにも
せめてもの救い
『風が吹くとき』の“風”とは、核爆弾投下によって発生する猛烈な爆風のこと。レイモンド・ブリッグスの原作絵本をアニメーション化した本作品は、原作に比べより反戦・反核メッセージが強いものとなったため、映画館における一般公開が見送られたという。というよりも、お子様向けのファンタジー『スノーマン』と同じ原作者とは思えないほど、内容がかなりブラックなのである。
イギリスの片田舎で隠居生活をしている老夫婦。大島渚が日本語監修を、森繁久弥と加藤治子が吹替えをつとめた日本語吹替版を鑑賞したのだが、(悪評高きジブリ作品のアフレコとは違って)なぜかピタリとはまっているのだ。戦争勃発の噂を聞いて、マニュアルをみながら簡易シェルターの準備にとりかかる爺さんに、こまごまとした家事をこなしながら小言をいう婆さんの掛け合いが、「ほんとに原爆なんか落ちるんかい」と疑いたくなるほどのんびりとした平和な雰囲気を醸し出している。
しかし一転、ラジオ放送の予告どおりどこぞの国から発射された核ミサイルがイギリス本土に着弾すると、この老夫婦の家屋はもちろん周囲の家々も一瞬のうちに焼野原と化してしまう。時折挿入される実写とおぼしき映像が、核の恐怖を増幅させる演出効果を発揮していて、被爆した(本人たちは気づいていないところがまた残酷)夫婦が次第に放射能の影響で心身ともに弱りはてていく様子が超リアルに描かれているので、お子さまと一緒に見る時にはそれなりの配慮が必要だろう。
髪の毛が抜け落ち、目が落ち窪んだ2人が焼け焦げたソファに横たわりながら、「政府がそのうちなんとかしてくれるさ」的な発言を繰り返すのだが、これがお上に対する(痛烈な)皮肉ともなっていることをけっして見逃してはいけない。「原爆投下」を支持する人が6割も締めているどこかの国民の中にもまともな考えを持っている人がいてくれたことが、せめてもの救いに感じられる1本だ。
はっきり言って怖いです。
これを初めて観たのはいつのことだろうか?
当時、小学生かそこらだった自分は、テレビで偶然やっていたこれを観て
老夫婦の最期が心に焼きつき、トラウマとして残っていた。
はだしのゲンも同時期に観ただろうか?
しかし、心に鮮烈に焼き付いてしまったのは、こちらのほうだった。
子供心に、「二度と観たくない」と思った。それぐらい怖かったのだ。
やがてそのトラウマが、成長するに従って興味へと変化していく。
「子供のころ見た怖かったアレは、実際はどうなのだろう?」
大人の視点でじっくり観たいと思っていた。
はたして子供の頃と、同じ恐怖がそこにはあった。
しかし、当時は「死」に対して恐怖を感じていたのが、改めて観たらそれとは別の恐怖も内包していることに気付いた。
なんでもない日常が、核兵器という非日常によって破壊され
何よりも、主人公本人がそれを自覚しないまま、日常を送りながら死んでいく。
政府の出した指示通り、老夫婦はシェルターを作っていく。
自分たち観客はすでに知識を持っている。
核兵器の恐怖は、その破壊力だけではないことを知っている。放射能、黒い雨。
それを知っているからこそ、何も知らない老夫婦の行動に「違う!」と叫びたくなる。
日常に挟まれている老夫婦の行動が、淡々と進んでいくのだが・・・その行動があまりに的外れなため、画面からは緊張感が常に放たれている。
これは、恐怖映画だ、と思った。
自分の中では、これは「戦争映画」でも「反核映画」でもどちらでもない。
戦争と核という舞台装置を使って、これ以上ない取り返しの付かない恐怖が静かに語られていく。
老夫婦は繰り返し言う。
「明日になったら?を買ってこよう」
「明日になったら?をしよう」
日常を破壊されたことを知らず、日常を送る老夫婦は
それを何一つ果たせないまま、また明日も目覚めることを当然に思いながら死んでいく。
夫婦が所々で話す、経験、またはメディアから得た知識は、何一つ役に立たないまま終わっていく。
どんな後味の悪い恐怖映画も、生半可には太刀打ちできない恐怖がある。
異論もあるだろう、しかし自分には、これは紛れもなく恐怖映画なのである。
今回購入したDVDには、オリジナル音声と字幕、予告も入っており
また違った「風が吹くとき」を楽しむことが出来た。
作品としては星5つだし、文句無い。
しかし、DVDの仕様として難点がひとつ。
再生はじめに、CMが流れるのだが、これをスキップできない。
再生のたびにCMを観るか、早送りするしか対処のしようが無いので非常に面倒くさい。
観てもらいたいからこそのCMなのだろうが、これは嫌になった。
毎度初めにアレを見るとなると、若干気が滅入るので星をひとつ減らし、この評価です。
核とは・・・
20年近く前(中学生の時)に偶然TVで観て、鮮烈に印象に刻まれたアニメ映画。DVD化されるのを知って、即買いでした。
核戦争が起きた時の、とある老夫婦の生活を描いた作品。
「核」を兵器として用いる恐ろしさ、悲惨さ、愚かさがしっかり表現されている。
同時に「核兵器」の存在意義や「核」や「戦争」に対する意識や教育のあり方にも疑問を投げかけているように思う。
中高生であれば・・・
戦争って何だろう。平和って何だろう。
大人であれば、抑止力としての核の存在意義など。
色々な疑問が頭に浮かんでくると思います。
多くの方々にに、できれば(私が初めてこの映画を観た)中学生くらいの方々に是非ともご覧頂き、真剣にこの疑問と向かい合って欲しい。
この映画の監督は日系のアメリカ人らしいのですが、純粋な(?)日本人以外が、戦勝国(イギリス)でこの映画を製作したことに、敬意を表したい。
ちなみに、声優は森繁久彌・加藤治子、主題歌はデヴィット・ボウイ、日本語版監修は大島渚という、実は豪華なキャスト。
その辺もお楽しみください。
とある通り、とてもいいものだと思いますよ。
video maker(VC/DAS)(D)にしては、¥ 3,192と値段もお手ごろですので、お勧めです。
風が吹くとき デジタルリマスター版 [DVD]ジミー・T・ムラカミ;大島渚
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定価: ¥ 3,990
販売価格: ¥ 3,192
人気ランキング: 6676位
おすすめ度:

発売日: 2009-07-24
発売元: video maker(VC/DAS)(D)
発送可能時期: 在庫あり。
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